諺・慣用句

 

 

 

  挨拶を切る

  縁を切る。関係を断つ。

 

 

 

 

 

  愛想が尽きる

  好意や信頼が持てなくなる。

 

 

 

 

 

  開いた口が塞がらぬ

  驚き呆れてものが言えないさま。

 

 

 

 

 

  相手変われど主変わらず

  状況は変わっても、

  やっているのは同じことの繰り返し。

 

 

 

 

 

  相手のさする功名

  自分の力によるのではなくて、

  相手の弱さや失策などのために

  思いがけなく立てる手柄。

 

 

 

 

 

  相手見てからの喧嘩声

  相手が自分より弱そうだとわかってから、

  急に威圧するような態度で声を出す、

  からいばりの行為。

 

 

 

 

 

  仰いで天に愧(は)じず

  心に少しもやましいところがないこと。

 

 

 

 

 

  青筋を立てる

  顔面に静脈が浮き出るほど、

  ひどく怒ったり、興奮したりする。

 

 

 

 

 

  青菜に塩

  青菜に塩を振りかけるとしおれるように、

  人がしょげるようすをいう。

 

 

 

 

 

  青は藍より出でて藍より青し

  弟子が師よりもすぐれていることのたとえ。

 

 

 

 

 

  煽りを食う

  強い風の衝撃をまともに身に受ける。

  思わぬ災難や影響を受ける。

 

 

 

 

 

  明かりが立つ

  潔白が証明される。疑いが晴れる。

 

 

 

 

 

  足掻きが取れない

  動作が自由にならない。

  取るべき方法がない。

 

 

 

 

 

  秋茄子は嫁に食わすな

  秋なすは特に味がよいので、

  憎い嫁に食わすな、の意で、

  しゅうとめの嫁いびりをいったもの。

 

 

 

 

 

  秋の日は釣瓶落とし

  秋の日が急に沈むこと。

 

 

 

 

 

  灰汁が強い

  一般に受け入れられにくいような、

  強い個性がある。

 

 

 

 

 

  悪事千里を走る

  悪い行いはすぐに世間に知れ渡る。

 

 

 

 

 

  悪銭身につかず

  盗み・賭け事などで得た金銭は、

  無駄に使われてすぐになくなってしまう。

 

 

 

 

 

  欠伸を噛み殺す

  出そうなあくびを、

  口を閉じて出さないようにがまんする。

  退屈なことをがまんする場合にいう。

 

 

 

 

 

  悪夢から覚める

  今まで自覚せずにきた悪いことに気づく。

 

 

 

 

 

  胡坐をかく

  のんきにかまえて、

  何の努力もしないことのたとえ。

 

 

 

 

 

  顎が落ちる

  食物の味の非常によいことのたとえ。

 

 

 

 

 

  顎が干上がる

  収入がなくなって、生活ができなくなる。

 

 

 

 

 

  朝顔の花一時

  物事の衰えやすいことのたとえ。

 

 

 

 

 

  浅瀬に仇波

  思慮の浅い者ほど大騒ぎをするたとえ。

 

 

 

 

 

  葦の髄から天井を覗く

  自分だけの狭い見識で、

  大きな問題を論じたり、

  判断したりすることのたとえ。

 

 

 

 

 

  足を掬う

  相手のすきをついて失敗させる。

 

 

 

 

 

  足を空に

  足が地につかないほどあわて急ぐさま。

 

 

 

 

 

  味も素っ気もない

  無味乾燥で趣や潤いに欠けるさま。

 

 

 

 

 

  明日の事を言えば鬼が笑う

  未来のことは

  前もって知ることはできないというたとえ。

  気の早いことを言うな、

  とからかいの気持ちを含めていう。

 

 

 

 

 

  当たらずと雖も遠からず

  ぴったり当たっていなくても、

  それほど見当が外れてはいないようす。

  「当たらずとも遠からず」とするのは誤り。

 

 

 

 

 

  後先無し

  自分の行動と

  その結果についての思慮がない。

 

 

 

 

 

  後棒を担ぐ

  首謀者の手助けとして加わる。

 

 

 

 

 

  後枕も知らず

  物の前後がわからない。

  どうしてよいかわからない。

  後枕も覚えず。

 

 

 

 

 

  穴を穿つ

  人の知らない重要な点や欠陥を、

  裏面からとらえたり指摘したりする。

 

 

 

 

 

  油紙へ火が付いたよう

  ぺらぺらよくしゃべるさま。

  油に火がついたよう。

 

 

 

 

 

  阿呆の足下使い

  愚かな者は

  足下の物を取るのにも人を使うということ。

  つまらないことに、

  いちいち人を使う愚かさをいう。

 

 

 

 

 

  余すところなく

  残らず。すべて。

 

 

 

 

 

  網無くて淵をのぞくな

  十分な努力や用意なしには

  成功はおぼつかないこと。

 

 

 

 

 

  網の目に風とまらず

  網を張っても風を防ぐことはできない。

  むだなことのたとえ。

 

 

 

 

 

  雨につけ風につけ

  雨が降っても風が吹いても。

  どんな時でも。

 

 

 

 

 

  飴をしゃぶらせる

  大きな利を得るために相手に小利を与える。

  また、人の喜びそうなことを言って

  相手を乗り気にさせる。

  飴をねぶらせる。

 

 

 

 

 

  文目も分かず

  暗くて模様や区別がはっきりしないさま。

  物事の分別がつかないさま。

 

 

 

 

 

  蟻の甘きにつくが如し

  利益のあるほうに、

  人が群がり集まることのたとえ。

 

 

 

 

 

  蟻の一穴天下の破れ

  大事は、ほんの些細なことから起こること。

 

 

 

 

 

  案ずるより産むが易し

  物事はあれこれ心配するより

  実行してみれば案外たやすいものだ。

 

 

 

 

 

  案に落つ

  思ったとおりになる。

  また、計略にひっかかる。

 

 

 

 

 

  案の如く

  思ったとおり。予測したとおり。

 

 

 

 

 

  言い得て妙

  巧みに言い表しているさま。

 

 

 

 

 

  言うに及ばず

  言うまでもない。

  もちろんのことだ。

 

 

 

 

 

  言うべきにもあらず

  口に出して言うまでもない。

 

 

 

 

 

  言うもおろか

  言うのもばかげている。

 

 

 

 

 

  委細構わず

  事情がどうあろうともそれにはかかわらず。

  遠慮なく。

 

 

 

 

 

  石に漱ぎ流れに枕す

  負け惜しみの強いことのたとえ。

 

 

 

 

 

  一脈相通ずる

  どこか共通するところがある。

 

 

 

 

 

  一笑に付す

  笑って問題にしないでいる。

  ばかにして相手にしない。

 

 

 

 

 

  一寸の光陰軽んずべからず

  僅かな時間でも無駄に過ごしてはいけない。

 

 

 

 

 

  一席ぶつ

  大勢の聞き手に向かって演説をしたり

  威勢のいい話をしたりする。

 

 

 

 

 

  一石を投じる

  反響を呼ぶような問題を投げかける。

 

 

 

 

 

  一線を画する

  境界線を引いてくぎりをつける。

  はっきり区別する。

 

 

 

 

 

  一端を担う

  ある物事について、部分的に関与している。

  責任や役目の一部を負っている。

 

 

 

 

 

  一擲乾坤を賭す

  天下を取るか取られるか、

  すべてを運に任せて思いきってやってみる。

 

 

 

 

 

  異とするに足りない

  殊更不思議に思ったり

  驚いたりすることではない。

 

 

 

 

 

  意に満たない

  満足できない。

 

 

 

 

 

  一敗地に塗れる

  二度と立ち上がれないほど大敗してしまう。

 

 

 

 

 

  荊を負う

  深く謝罪することのたとえ。

 

 

 

 

 

  色を作す(なす)

  怒って顔色を変えること。

 

 

 

 

 

  曰く言い難し

  簡単には説明できない。

  なんとも言いようがない。

 

 

 

 

 

  鰯の頭も信心から

  イワシの頭のようなつまらないものでも

  信心する人は尊く思われる。

  物事を頑なに信じる人を

  揶揄 するときにもいう。

 

 

 

 

 

  因果をふくめる

  理由を話して、

  仕方がないとあきらめさせること。

 

 

 

 

 

  魚心あれば水心

  相手が好意を示せば、

  自分も相手に好意を示す気になる。

 

 

 

 

 

  魚の目に水見えず

  身近にあって、

  自分にかかわりの深いものは

  かえって気づかないことのたとえ。

 

 

 

 

 

  浮かぶ瀬

  苦しい境遇や状態から抜け出る機会。

 

 

 

 

 

  鶯の谷渡り

  鶯が谷から谷へ、

  また、枝から枝へ鳴きながら渡ること。

  曲芸などで、物の一方から他方へ移ること。

 

 

 

 

 

  雨後の筍

  物事が相次いで現れることのたとえ。

  成長が早いことの意で使うのは誤り。

 

 

 

 

 

  兎の逆立ち

  耳が痛い、弱点を突かれて辛いの意。

 

 

 

 

 

  兎の糞

  ウサギの糞のように、

  物事がとぎれて続かないことのたとえ。

 

 

 

 

 

  牛に経文

  いくら説いても効き目のないことのたとえ。

  馬の耳に念仏。

 

 

 

 

 

  うだつが上がらない

  地位・生活などがよくならない。

  ぱっとしない。

 

 

 

 

 

  内に省みて疚しからず

  自分の良心に照らしてみて、

  少しも恥ずかしいところがない。

 

 

 

 

 

  雨天の友

  逆境の時に支持してくれる友人。

  また、厳しい忠言をしてくれる友人。

 

 

 

 

 

  腕無しの振り飄石

  自分の力に過ぎたことをするたとえ。

  また、虚勢を張るたとえ。

 

 

 

 

 

  腕に覚えがある

  自分の腕前・力量に自信をもっている。

 

 

 

 

 

  鵜の真似をする烏

  自分の能力をよく考えず、

  みだりに人まねをすると、

  必ず失敗するということのたとえ。

  烏が鵜の真似。

 

 

 

 

 

  鵜の目鷹の目

  鵜や鷹が獲物を求めるように、

  熱心にものを探し出そうとするさま。

  また、その目つき。

 

 

 

 

 

  宜なるかな(うべなるかな)

  もっともなことだなあ。

  いかにもそのとおりだなあ。

  むべなるかな。

 

 

 

 

 

  馬が合う

  気がよく合う。意気投合する。

 

 

 

 

 

  倦まず撓まず(うまずたゆまず)

  飽きたり怠けたりしないで。

 

 

 

 

 

  馬には乗ってみよ人には添うてみよ

  馬のよしあしは乗ってみなければわからず、

  人のよしあしは

  つきあってみなければわからない。

  何事も自分で直接経験してみよということ。

 

 

 

 

 

  鹿を指して馬となす

  人を威圧して、

  まちがいを押し通すことのたとえ。

  人をだましておとしいれることのたとえ。

 

 

 

 

 

  裏釘を返す

  念を押す。

  または、いっそう確かなものとする。

 

 

 

 

 

  運は天にあり

  運は天の支配するもので、

  人力ではどうにもできない。

 

 

 

 

 

  悦に入る

  事がうまく運び、満足して喜ぶ。

 

 

 

 

 

  柄の無い所に柄を挿げる

  無理に理屈をつけたり口実を設けたりする。

 

 

 

 

 

  烏帽子を着せる

  飾り物を付けることから、

  転じて、妙な誇張をする。

  尾鰭 (おひれ) をつける。

 

 

 

 

 

  襟を開く

  胸の内をすっかり打ち明けること。

 

 

 

 

 

  縁の下の力持ち

  他人のために陰で苦労、努力をすること。

  また、そのような人のたとえ。

 

 

 

 

 

  大きな御世話

  よけいなおせっかい。不必要な世話。

  他人の助言や手助けを拒絶するときに言う。

  余計なお世話。

 

 

 

 

 

  大口を叩く

  大げさな物言いをする。

  偉そうなことを言う。

  大きな口をきく。

 

 

 

 

 

  大風呂敷を広げる

  現実に合わない大げさなことを言ったり、

  計画したりすること。

 

 

 

 

 

  鷹揚に構える

  小さなことにこだわらず

  ゆったりとしているさま。

  おっとりとして上品なさま。

 

 

 

 

 

  奥歯に衣着せる

  物事をはっきり言わず、

  どこか思わせぶりに言う。

 

 

 

 

 

  噯(おく)びにも出さない

  物事を深く隠して、決して口に出さず、

  それらしいようすも見せない。

  おくびにも見せない。

 

 

 

 

 

  驕れる者は久しからず。

  おごり高ぶる者は、

  その身を長く保つことができないこと。

 

 

 

 

 

 

  推して知るべし

  推し量ればわかるはずだ。

  容易に推察できる。

 

 

 

 

 

  押しも押されもせぬ

  どこへ出ても圧倒されることがない。

  実力があって堂々としている。

  押すに押されぬ。

  「押しも押されぬ」は本来誤用。

 

 

 

 

 

  遅きに失する

  遅すぎて間に合わなくなってしまう。

  用をなさない。

 

 

 

 

 

  御茶を濁す

  いいかげんに言ったりしたりして

  その場をごまかす。

 

 

 

 

 

  男は辞儀に余れ

  男は、謙遜 しすぎるくらいでよい。

 

 

 

 

 

  鬼の居ぬ間に洗濯

  怖い人や気兼ねする人のいない間に、

  思う存分くつろぐこと。

 

 

 

 

 

  鬼の霍乱

  健康な人が珍しく病気になること。

 

 

 

 

 

  帯に短し襷に長し

  中途半端で役に立たないたとえ。

 

 

 

 

 

  思うところなし

  思慮分別がない。

 

 

 

 

 

  面を冒す

  目上の人の気持ちに逆らうのを恐れず

  諫めること。

 

 

 

 

 

  親の因果が子に報ゆ

  親のした悪業の結果がその子に現れて、

  罪もないのに災いを受ける。

 

 

 

 

 

  親の心子知らず

  親が子を思う気持ちが通じないで、

  子は勝手気ままなものであるということ。

 

 

 

 

 

  親の欲目

  親はわが子がかわいいため、

  実力以上に評価すること。

 

 

 

 

 

  尾を見せる

  今まで隠していた実態が現れる。

  やりくりに破綻 (はたん) をきたす。

  尾を出す。

 

 

 

 

 

  快刀乱麻を断つ

  よく切れる刀で、もつれた麻を切る。

  もつれた事柄を、

  もののみごとに処理することのたとえ。

 

 

 

 

 

  蝸角の争い

  小さな者同士の争い。

  つまらないことにこだわった争い。

  蝸牛角上の争い。

 

 

 

 

 

  隠すより現る

  隠そうとすると目立つこと。

 

 

 

 

 

  影が射す

  よくないことが起こりそうな気配がする。

  物事の先行が怪しくなる。

 

 

 

 

 

  陰で舌を出す

  面と向かっては褒めておいて、

  その人のいない所であざけりけなす。

 

 

 

 

 

  蜉蝣の命

  蜉蝣の命のように、

  人の一生が短いことをたとえていう語。

  はかない命。

 

 

 

 

 

  籠で水を汲む

  ほねをおっても効果のないことのたとえ。

 

 

 

 

 

  嵩から出る

  威圧的な態度で、相手をのんでかかる。

  高飛車に出る。

 

 

 

 

 

  風に柳

  柳が風になびくように、

  相手を適当にあしらって逆らわないようす。

 

 

 

 

 

  固唾を呑む

  事の成り行きが気がかりで緊張している。

 

 

 

 

 

  刀折れ矢尽きる

  戦う手段をすっかり使い果たす。

  物事に立ち向かう手段がなくなる。

  弓折れ矢尽きる。

 

 

 

 

 

  型に嵌まる

  決まりきった形式や方法どおりのもので、

  個性や独創性がない。

 

 

 

 

 

  火中の栗を拾う

  自分の利益にならないのに、

  他人のために危険を冒すたとえ。

 

 

 

 

 

  渇しても盗泉の水を飲まず

  どんなに困っていても、

  不正には手を出さないことのたとえ。

 

 

 

 

 

  勝って兜の緒を締めよ

  敵に勝っても油断しないで、

  心を引き締めよ、というたとえ。

 

 

 

 

 

  勝手な熱を吹く

  自慢や、自分に都合のいいことなど、

  言いたい放題のことを言う。

 

 

 

 

 

  勝てば官軍負ければ賊軍

  戦いに勝ったほうが正義になり、

  負けたほうが不義となる。

  道理はどうあれ

  強い者が正義者となるというたとえ。

 

 

 

 

 

  角が立つ

  理屈っぽい言動によって

  他人との間が穏やかでなくなる。

 

 

 

 

 

  過不及ない

  適度である。ちょうどよい。

 

 

 

 

 

  禍福は糾える縄の如し

  幸福と不幸は、

  より合わせた縄のように

  交互にやってくるということ。

  吉凶は糾える縄の如し。

 

 

 

 

 

  壁に耳あり障子に目あり

  隠し事をしようとしても、

  どこで誰が見たり聞いたりしているか

  わからないということ。

  秘密が漏れやすいことのたとえ。

 

 

 

 

 

  鎌を掛ける

  相手に本当のことを白状させるために、

  それとなく言葉巧みに問いかける。

 

 

 

 

 

  神ならぬ身

  神ではない、能力に限りある人間の身。

 

 

 

 

 

  空の樽ほど音が大きい

  愚か者ほど

  大声でよくしゃべるということのたとえ。

 

 

 

 

 

  枯れ木も山の賑わい

  つまらないものでも、

  ないよりはましであることのたとえ。

 

 

 

 

 

  華を去り実に就く

  見かけをはでに飾ることをやめて、

  質実な態度をとる。

 

 

 

 

 

  甘草の丸呑み

  物事の本当の意味を

  深くかみしめてわかろうとしないこと。

 

 

 

 

 

  画餅に帰す

  考えたり計画したりしたことが、

  実際の役に立たず無駄になる。

 

 

 

 

 

  画竜点睛を欠く

  よくできていても、

  肝心なところが欠けているために、

  完全とはいえないこと。

 

 

 

 

 

  気炎を揚げる

  威勢のいいことを言う。気炎を吐く。

 

 

 

 

 

  既往は咎め

  過去のことをとがめるより、

  将来を慎むことが大切である。

 

 

 

 

 

  機が熟する

  ある物事をするのに、

  ちょうどよい時機になる。

 

 

 

 

 

  疑心暗鬼を生ず

  疑う心が強くなると、

  なんでもないことが恐ろしく感じたり、

  疑わしく思えたりする。

 

 

 

 

 

 

  帰する所

  ゆきつくところ。つまり。結局。

 

 

 

 

 

  忌憚のない

  遠慮をしない。率直な。

 

 

 

 

 

  機知に富む

  その時々に応じた受け答えをしたり、

  その場の雰囲気を和らげたりする才能。

 

 

 

 

 

  気褄を合わす

  相手が気に入るように調子を合わせる。

  機嫌をとる。

 

 

 

 

 

  屹度した

  確実であるさま。

 

 

 

 

 

  今日の情けは明日の仇

  人の心の変わりやすいことのたとえ。

 

 

 

 

 

  奇を衒う

  わざと普通と違っていることをして

  人の注意を引こうとする。

 

 

 

 

 

  草も揺るがず

  まったく風がないさまや暑いさま、

  また、世の中が太平であるさまのたとえ。

  草木も揺るがず。

 

 

 

 

 

  くだを巻く

  とりとめのないことをしつこく言う。

 

 

 

 

 

  口の虎は身を破る

  言葉を慎まないために、

  ついに身を滅ぼしてしまうたとえ。

 

 

 

 

 

  口を垂る(くちをたれる)

  卑屈な態度でものを言う。

 

 

 

 

 

  杳として

  暗くてよくわからないさま。

  事情などがはっきりしないさま。

 

 

 

 

 

  愚に返る

  年をとって分別を失う。愚かになる。

 

 

 

 

 

  けじめを食う

  他人より低い待遇を受ける。

  卑しめられる。ばかにされる。

 

 

 

 

 

  下衆の勘繰り

  心の卑しい者は、とかくひがみっぽくて、

  邪推をしたがるものだというたとえ。

 

 

 

 

 

  毛を吹いて疵を求む

  他人の小さな欠点を、

  わざわざ探し出すこと。

  人の欠点や悪事をあばこうとして、

  却って自分の欠点をさらけ出すこと。

 

 

 

 

 

  言を構える

  つくりごとを言う。

 

 

 

 

 

  言を俟たない

  改めて言うまでもない。もちろんである。

 

 

 

 

 

  口耳四寸の学

  聞いたことをそのまま人に伝えるだけの、

  身につかない学問。受け売りの学問。

 

 

 

 

 

  好事魔多し

  よいことにはじゃまが入りやすい。

 

 

 

 

 

  口舌の徒

  言葉は達者であるが

  実行力の伴わない人を軽蔑していう言葉。

 

 

 

 

 

  勾配がぬるい

  判断力がにぶい。

 

 

 

 

 

  口吻を洩らす(こうふんをもらす)

  それと想像できるようなもの言いをする。

 

 

 

 

 

  虚仮

  思慮の浅いこと。愚かなこと。

  また、その人

  ※虚仮の一念

 

 

 

 

 

  枯淡の境地

  人柄、性質などがあっさりしていて、

  しつこくない人。

  世俗的な名利にとらわれないで

  さっぱりしている様。

 

 

 

 

 

  理(ことわり)なし

  理由がない。筋道が立たない。

  道理に合わない。

  道義をわきまえない。

 

 

 

 

 

  言葉は立居を表す

  話し方に、

  その人の人格・性行までもが表れる。

 

 

 

 

 

  好むと好まざるとにかかわらず

  当人の意志に関係なく。

 

 

 

 

 

  此の親にして此の子あり

  このような優れた親があってこそ、

  こんなにりっぱな子が生まれるのだ。

  また、子は親の性質を受けつぐものである。

  ※悪い親だから悪い子が生まれるは誤用。

 

 

 

 

 

  コロンブスの卵

  だれでもできそうなことでも、

  最初に行うことはむずかしいということ。

 

 

 

 

 

  業が煮える

  物事が思うように運ばないでいらいらする。

 

 

 

 

 

  御託を並べる

  自分勝手なことを勿体ぶってくどくど言う。

 

 

 

 

 

  五分も透かない

  少しのすきもない。全く抜け目がない。

 

 

 

 

 

  細大漏らさず

  一部始終。全部。

 

 

 

 

 

  猿の尻笑い

  自分の欠点に気がつかずに、

  他人の欠点をばかにして笑うことのたとえ。

 

 

 

 

 

  歯牙にもかけない

  相手にしない。問題にしない。

 

 

 

 

 

  舌の根の乾かぬうち

  言葉を言い終わるか終わらないうち。

  前言に反したことを言ったときに、

  非難して用いる。

 

 

 

 

 

  舌を振るう

  盛んに喋る。

 

 

 

 

 

  失笑を買う

  愚かな言動のために笑われる。

 

 

 

 

 

  十指の指す所

  誰もが認めるところ。

  多くの人が正しいとすること。

 

 

 

 

 

  四の五の言う

  なんのかんのと文句や不平を言う。

 

 

 

 

 

  仕舞いを付ける

  始末をつける。片をつける。

 

 

 

 

 

  駟も舌に及ばず

  いったん口に出した言葉は、

  4頭立ての馬車で追いかけても、

  追いつくことはできない。

  言葉は慎むべきであるというたとえ。

  駟馬を追う能 (あた) わず。

 

 

 

 

 

  四文と出る

  軽々しく人の話に横から口を出す。

 

 

 

 

 

  性懲りもない

  同じ過ちを繰り返しても、一向に改めない。

 

 

 

 

 

  笑中に刀あり

  うわべは優しそうであるが、

  内心は陰険で、

  人を陥れようとしていることのたとえ。

  笑中に刃 (やいば) を研ぐ。

 

 

 

 

 

  小利大損

  わずかの利益のためにあくせくして、

  かえって大きな損をしてしまうこと。

 

 

 

 

 

  知る者は言わず言う者は知らず

  物事をよく知る人は

  みだりに口に出して言わないが、

  よく知らぬ者は

  かえって軽々しくしゃべるものである。

 

 

 

 

 

  児戯に等しい

  ある行為が無価値であることにいう。

  児戯に類する

 

 

 

 

 

  情理を尽くす

  当事者の気持ちをよくくみ取り、

  同時に道理にかなうようにする。

 

 

 

 

 

  如才が無い

  気がきいて、抜かりがない。如才ない。

 

 

 

 

 

  人口に膾炙する

  人々の評判になって知れ渡ること。

 

 

 

 

 

  人後に落ちない

  他人に先を越されない。

  ひけをとらない。

 

 

 

 

 

  宿世拙し

  宿縁がよくない。

  ふしあわせな運に生まれついている。

 

 

 

 

 

  水泡に帰する

  努力の甲斐もなく無駄に終わること。

 

 

 

 

 

  滑ったの転んだの

  つまらないことをあれこれ言いたてるさま。

 

 

 

 

 

  酢を買う

  余計な口出しをして相手を怒らせる。

  また、扇動する。

  酢を乞 (こ) う。

 

 

 

 

 

  図がない

  途方もない。とんでもない。法外である。

 

 

 

 

 

  井蛙の見

  狭い見識。見識の狭さ。

 

 

 

 

 

  正鵠を射る

  物事の急所を正確につく。正鵠を得る。

 

 

 

 

 

  清濁併せ呑む

  心が広く、

  善でも悪でも分け隔てなく受け入れる。

  度量の大きいことのたとえ。

 

 

 

 

 

  井底の蛙

  知識や考えが狭くて、

  他にもっと広い世界のあることを

  知らない者をあざけっていう語。

  井蛙 (せいあ) 。井の中の蛙 (かわず) 

 

 

 

 

 

  詮ずる所

  せんじつめて考えるに。

  要するに。結局。所詮。

 

 

 

 

 

  是非に及ばず

  当否や善悪をあれこれ論じるまでもなく、

  そうするしかない。

  どうしようもない。しかたがない。

  やむを得ない。

 

 

 

 

 

  是を是とし非を非とす之を知と謂う

  よいものはよい、悪いものは悪いと

  道理によって判断することが、

  ほんとうの知識である。

  是是非非。

 

 

 

 

 

  謗りを免れない

  非難を受けて当然である。

 

 

 

 

 

  立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花

  美人の姿を形容する言葉。

 

 

 

 

 

  蓼食う虫も好き好き

  タデの辛い葉を食う虫もあるように、

  人の好みはさまざまであるということ。

 

 

 

 

 

  血は争えない

  子どもが父母から気質・性向を

  受け継いでいることは否定しようがない。

  血筋は争えない。

 

 

 

 

 

  面で人をきる

  傲慢 な態度で他人の気持を傷つける。

 

 

 

 

 

  面の皮が厚い

  恥を恥とも思わない。

  ずうずうしい。厚かましい。

 

 

 

 

 

  体もない

  くだらない。つまらない。らちもない。

 

 

 

 

 

  手も無く

  簡単に。たやすく。

 

 

 

 

 

  手を拱く

  何もしないで傍観している。手をつかねる。

  腕をこまぬく。

 

 

 

 

 

  天高く馬肥ゆる秋

  空は澄み渡って晴れ、馬が食欲を増し、

  肥えてたくましくなる秋。

  秋の好時節をいう言葉。

 

 

 

 

 

  天を怨みず人を尤めず

  自分の身がいかに不遇でも天を恨まず、

  また人を咎めず自ら反省して修養に努める。

 

 

 

 

 

  当を得る

  道理にかなっている。

 

 

 

 

 

  時は得難くして失い易し

  好機はなかなかめぐってこないもので、

  好機が来ても油断をするとすぐ去っていく。

 

 

 

 

 

  時は人を待たず

  年月は過ぎやすく、

  好機は失われやすいことをいう。

  歳月人を待たず。

 

 

 

 

 

  毒を食らわば皿まで

  悪に手を染めたからには

  最後まで悪に徹しよう。

 

 

 

 

 

  虎の威を借る狐

  他の権勢に頼って威張る小人 のたとえ。

 

 

 

 

 

  泣き出しそうな空模様

  今にも雨が降りだしそうな空のようす。

 

 

 

 

 

  無きにしも非ず

  ないわけではない。ないとは限らない。

  少しはある。

 

 

 

 

 

  無げのあわれ

  心からではない、表面だけの同情。

 

 

 

 

 

  ならぬ堪忍するが堪忍

  我慢できないことを我慢するのが、

  本当の意味での忍耐だということ。

 

 

 

 

 

  何をか言わんや

  なにを言おうか、言うことがなにもない。

  あきれてなにも言えない。

 

 

 

 

 

  煮え湯を飲ます

  信用している人を裏切り酷い目にあわせる。

 

 

 

 

 

  二階から目薬

  2階にいて、階下の人に目薬を差すこと。

  もどかしいこと。

  また遠回しすぎて効果がないことのたとえ。

 

 

 

 

 

  似て非なり

  ちょっと見たかぎりでは似ているが、

  実際は全く違う。

 

 

 

 

 

  二の足を踏む

  一歩目は進みながら、

  二歩目はためらって足踏みする。

  思い切れずに迷う。ためらう。

  しりごみする。

 

 

 

 

 

  二の句が継げない

  次に言う言葉が出てこない。

  呆れたり驚いたりして言うべき言葉を失う。

 

 

 

 

 

  二匹目の泥鰌

  他人の成功した行為や作品をまねること。

 

 

 

 

 

  鰾膠もしゃしゃりも無い

  (にべもしゃしゃりもない)

  味もそっけもない。にべもない。

 

 

 

 

 

  人間到る所青山あり

  故郷ばかりが骨を埋めるべき土地ではない。

  大志を抱いて大いに活動すべきである。

 

 

 

 

 

  人間は万物の尺度である

  個々の人間の知覚こそ、真理の基準であり、

  絶対的な真理は存在しないの意とされる。

 

 

 

 

 

  人を見て法を説け

  相手の人柄や能力を見て、

  それにふさわしい助言をすべきである。

 

 

 

 

 

  糠に釘

  ぬかに釘を打つこと。

  なんの手ごたえもなく、

  効き目のないことのたとえ。

  暖簾 に腕押し。

 

 

 

 

 

  願ったり叶ったり

  希望と一致すること。

  すっかり願い通りになること。

 

 

 

 

 

  猫も杓子も

  だれもかれも。なにもかも。

 

 

 

 

 

  根葉になる

  恨みの種となる。

 

 

 

 

 

  退っ引きならない

  避けることもしりぞくこともできず、

  動きがとれない。ぬきさしならない。

 

 

 

 

 

  後は野となれ山となれ

  目先のことさえなんとか済めば、

  あとはどうなってもかまわない。

 

 

 

 

 

  のの字を書く

  若い女性が恥ずかしがったり、

  すねたりするときのしぐさをいう。

 

 

 

 

 

  馬脚を露わす

  隠していたことがあらわれる。

  化けの皮がはがれる。しっぽを出す。

 

 

 

 

 

  薄氷を履む

  非常に危険な状態に臨むことのたとえ。

 

 

 

 

 

  斜に構える

  身構える。改まった態度をする。

  物事に正対しないで、

  皮肉やからかいなどの態度で臨む。

 

 

 

 

 

  腹が黒い

  心が捻じれていて悪事を企む性質である。

  腹黒い。

 

 

 

 

 

  腹が太い

  度量が大きい。胆力がある。太っ腹である。

 

 

 

 

 

  万感交到る(ばんかんこもごもいたる)

  さまざまの思いが次々とわき起こる。

 

 

 

 

 

  万難を排して

  どんな困難なことがあっても

 

 

 

 

 

  万能足りて一心足らず

  あらゆる技芸に達しているが、

  肝心の心の修養が足りない。

  万能よりも一心が大切だという教え。

 

 

 

 

 

  卑下も自慢の内

  卑下を美徳と意識して、殊更卑下すること。

 

 

 

 

 

  筆舌に尽くし難い

  あまりにはなはだしくて、

  文章や言葉ではとても表現できない。

 

 

 

 

 

  人は善悪の友による

  人は、つきあう人でよくも悪くもなる。

 

 

 

 

 

  人目に余る

  様子や行いが目立ちすぎて、

  他人を不快な気持ちにさせる。

 

 

 

 

 

  人目に立つ

  他人の注意を引く。目立つ。

 

 

 

 

 

  人目を忍ぶ

  他人に見られないように心を配る。

  人に知られないようにする。

 

 

 

 

 

  人目を盗む

  他人に見られないように、こっそりと行う。

 

 

 

 

 

  人目を憚る

  他人に見られるのを恐れる。

  世間に知られないように心を配る。

 

 

 

 

 

  一役買う

  一つの仕事の中で、

  ある役割を進んで引き受ける。

 

 

 

 

 

  人を食う

  人を人とも思わない、

  ずうずうしい態度や言動をする。

 

 

 

 

 

  人を呪わば穴二つ

  他人を呪って殺そうとすれば、

  自分もその報いで殺されることになるので、

  墓穴が二つ必要になる。

  人を陥れようとすれば

  自分にも悪いことが起こるというたとえ。

 

 

 

 

 

  非の打ち所が無い

  少しの欠点もない。

  完全で、非難する所がない。

 

 

 

 

 

  日日是好日(ひびこれこうじつ)

  毎日毎日が無事でよい日であるということ。

 

 

 

 

 

  百歩譲る

  自説を引っ込め相手の主張を大幅に認める。

  最大限に譲歩する。

 

 

 

 

 

  比類ない

  比較できるものがない。

  並びない。たぐいない。

 

 

 

 

  日を同じくして論ぜず

  両者の間に大差があり同時に論じられない。

  比べものにならない。

  同日の論でない。

 

 

 

 

 

  非を打つ

  悪いところを指摘する。非難する。

  「―・つ人もない名作」

 

 

 

 

 

  非を鳴らす

  盛んに非難する。

 

 

 

 

 

  貧すれば鈍する

  貧乏すると、

  生活の苦しさのために

  精神の働きまでが愚鈍になる。

 

 

 

 

 

  美言は信ならず

  巧みに飾った言葉は、真実が乏しい。

 

 

 

 

 

  風雲急を告げる

  今にも大きな変動が起きそうな、

  さしせまった情勢である。

 

 

 

 

 

  浮生夢の如し

  人生は夢のように短くはかないものである。

 

 

 

 

 

  懐が深い

  心が広く、包容力がある。

 

 

 

 

 

  腑に落ちない

  納得がいかない。合点がいかない。

 

 

 

 

 

  冬来りなば春遠からじ

  つらい時期を耐え抜けば、

  幸せな時期は必ず来るというたとえ。

  長い冬を耐えて

  春を待つ気持ちの表現としても用いられる。

 

 

 

 

 

  風呂敷を広げる

  実際よりも大げさに言う。

  ほらをふく。大言する。

 

 

 

 

 

  無沙を打つ

  不義理をする。義理を欠く。

 

 

 

 

 

  文は人なり

  文章はその人の人柄が表されている。

  文章を見れば人となりがわかる。

 

 

 

 

 

  変哲もない

  特に取り立てて言うほどのこともない。

  平凡である。

 

 

 

 

 

  弁を弄する

  勝手なことを言い立てる。屁理屈を言う。

 

 

 

 

 

  星を数うる如し

  限りのないこと、

  また成功の見込みのないことのたとえ。

 

 

 

 

 

  骨に刻む

  深く心にとどめて決して忘れない。

  肝に銘じる。

 

 

 

 

 

  骨身を惜しまず

  苦労をいとわず。

 

 

 

 

 

  方図がない

  際限がない

 

 

 

 

 

  忙中閑あり

  忙しい中にも、僅かな暇はあるものである。

 

 

 

 

 

  墓穴を掘る

  身を滅ぼす原因を自分から作ること。

 

 

 

 

 

  反故にする

  無駄に捨てる。ないものとする。

  役に立たないものにする。

 

 

 

 

 

  煩悩あれば菩提あり

  迷いがあるからこそ悟りを開くこともある。

 

 

 

 

 

  枚挙に遑がない

  沢山ありすぎていちいち数えきれない。

 

 

 

 

 

  待てば海路の日和あり

  待っていれば、海の静かないい日和がくる。

  待てば甘露の日和あり。

 

 

 

 

 

  的を射る

  うまく目標に当てる。

  転じて、うまく要点をつかむ。

 

 

 

 

 

  眦を決する(まなじりをけっする)

  目を大きく見開く。

  怒ったり、決意したりするさま。眦を裂く。

 

 

 

 

 

  学ぶに如かず(まなぶにしかず)

  物の道理を知るには、

  漠然と思索するより

  古人の言行を学ぶことが第一である。

 

 

 

 

 

  免れて恥なし

  法の目を逃れているのをよいことにして、

  悪事を恥じようとしない。

 

 

 

 

 

  ミイラ取りがミイラになる

  人を捜しに行った者が帰ってこないで、

  捜される立場になってしまう。

  また、人を説得に行った者が、

  却って説得されてしまうこと。

 

 

 

 

 

  見得を切る

  ことさらに自分の力を誇示するような

  態度・言動をする。

  また、いい所を見せようと無理をする。

 

 

 

 

 

  自ら持する

  自分を引きしめて崩れないようにする。

 

 

 

 

 

  道ならぬ

  道徳・道理にはずれている。

 

 

 

 

 

  身の置き所がない

  その場にいられない。

  いたたまれない。

 

 

 

 

 

  身の熟し(みのこなし)

  その場に適応したからだの動かし方。

  身ごなし。

  「優雅な身の熟し」「すばやい身の熟し」

 

 

 

 

 

  実るほど頭の下がる稲穂かな

  稲の穂は実が入ると重くなって垂れ下がる。

  学徳が深まると、

  却って他人に対し謙虚になることのたとえ。

  実るほど頭 (こうべ) を垂れる稲穂かな。

 

 

 

 

 

  見る影もない

  見るに堪えない。まことにみすぼらしく、

  みじめである。

 

 

 

 

 

  身を誤る

  間違った生き方をする。人生をふみはずす。

 

 

 

 

 

  虫がいい

  自分の都合ばかり考えて他を顧みない。

  身がってである。

 

 

 

 

 

  虫唾が走る

  胸がむかむかするほど不快である。

 

 

 

 

 

  胸に落ちる・腑に落ちる

  納得がいく。腹に落ちる。

  なるほどそうだと思う。

  納得する。得心する。

 

 

 

 

 

  目角が強い

  物を見る目が鋭敏である。

  また、よく見覚えている。

 

 

 

 

 

  目から鱗が落ちる

  何かがきっかけになって、

  急に物事の実態などがよく見え、

  理解できるようになるたとえ。

 

 

 

 

 

  目から鼻へ抜ける

  非常に頭の働きのよいさま。

  また、抜け目なくすばしこいさまをいう。

 

 

 

 

 

  目が物を言う

  目つきや目くばせで気持ちが伝わる。

 

 

 

 

 

  目糞鼻糞を笑う

  汚い目やにが、鼻くそを汚いと言って笑う。

  自分の欠点には気がつかないで、

  他人のことをあざ笑うたとえ。

 

 

 

 

 

  目で見て口で言え

  自分の目で見てから口に出せ、

  あるいは非難せよ、という戒め。

 

 

 

 

 

  餅は餅屋

  餅は餅屋のついたものがいちばんうまい。

  その道のことはやはり専門家が

  一番であるというたとえ。

 

 

 

 

 

  本を正す

  物事の原因を調べてはっきりさせる。

 

 

 

 

 

  柳に風

  柳が風になびくように、

  逆らわずに穏やかにあしらうこと。

  「柳に風と受け流す」

 

 

 

 

 

  藪から棒

  突然に物事を行うさま。

  だしぬけ。

  唐突。

 

 

 

 

 

  山高きが故に貴からず

  本当の価値は

  見かけだけで決まるものではなく、

  実質が伴ってこそ尊ばれるということ。

 

 

 

 

 

  止むに止まれぬ

  やめようとしてもやめられない。

  そうするよりほかない。

 

 

 

 

 

  矢も盾もたまらない

  思い詰めて、こらえることができない。

  気がせいて、じっとしていられない。

 

 

 

 

 

  雄弁は銀沈黙は金

  雄弁は大事だが、

  沈黙すべきときを心得ていることは

  もっと大事だということ。

 

 

 

 

 

  故を以て

  先行の事柄を理由として、

  後続の事柄が生じることを示す。

  ゆえに。それで。

 

 

 

 

 

  要領を得ない

  要点がはっきりしない。筋道が立たない。

 

 

 

 

 

  用を成さない

  ものの役に立たない。

 

 

 

 

 

  横車を押す

  道理に合わないことを無理に押し通す。

  横に車を押す。

 

 

 

 

 

  予断を許さない

  前もって判断することができない。

  情勢が不安定なさまにいう。

 

 

 

 

 

  余念が無い

  ほかのことを考えず一つのことに熱中する。

  少しも邪念がない。

 

 

 

 

 

  寄らば大樹の陰

  身を寄せるならば、大木の下が安全である。

  同じ頼るならば、

  勢力のある人のほうがよいというたとえ。

 

 

 

 

 

  烙印を押される

  ぬぐい去ることのできない汚名を受ける。

 

 

 

 

 

  理が非でも

  無理にでも。

  何が何でも。

  是が非でも。

 

 

 

 

  理の当然

  理屈からいってあたりまえのこと。

  「努力しなかったのだから、

  こうなったのも理の当然だ」

 

 

 

 

  溜飲を下げる

  胸をすっきりさせる。

  不平・不満・恨みを解消して気を晴らす。

 

 

 

 

 

  累が及ぶ

  他人の災いが自分の身にもふりかかる。

  巻き添えを食う。「親兄弟に―・ぶ」

 

 

 

 

 

  類がない

  他に比べるものがない。

  比類がない。

 

 

 

 

 

  和して同ぜず

  君子は人と協調するが、

  安易に同調したり雷同したりしない。

  主体的に人とつき合うべきである。

 

 

 

 

 

  物言えば唇寒し秋の風松尾芭蕉

  人の悪口を言えば、

  後味の悪い思いをするというたとえ。

  余計なことを言えば災いを招く。